この記事では、「若草物語」の最後はどのような結末を迎えるのか？原作小説の概要＆ラストを解説します。若草物語のその後、続編のあらすじと結末についても簡単に紹介し、作者の伝えたいことについて考察しています。

「若草物語」は1868年にアメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットによって書かれた、半自伝的小説です。150年以上もの長い間、世界中で愛され続けています。

これまで、世界中で数々の映画化がされてきました。近年では、2019年に公開された「ストーリー・オブ・マイライフ　私の若草物語」が話題となりました。（※日本では2020年公開）また、1964年には日本でも、吉永小百合や浅丘ルリ子などの有名女優が出演した映画も、制作されていました。

2024年10月から日本テレビ系列で「若草物語　恋する姉妹と恋せぬ私」のタイトルで現代のドラマとなって甦ります。

【原作ネタバレあり】若草物語の結末は？

世界中の多くの人々に愛される「若草物語」とは、どのような作品なのでしょうか？結末に向けてのあらすじを簡単にまとめました。

若草物語の結末を簡単に解説

『若草物語』の最初の部（第一部）は、四姉妹が少女から大人へと成長する姿を描いた物語です。この第一部の結末では、メグがジョン・ブルックとの婚約を決め、ジョーがその変化に戸惑いながらも姉の幸せを受け入れます。

また、ジョーは自身の作家としての夢を追いかけ、ベスは病から回復し、家族全員でクリスマスを迎えます。エイミーは芸術の道を模索しながらも、家庭の中で末っ子として大事にされ、姉妹たちと心を通わせます。

物語の最後には、姉妹たちがそれぞれの人生の選択をしながらも、家族の絆を大切にし、前向きに未来へ歩み出す姿が描かれています。この時点ではまだベスは健在で、四姉妹は揃って平和で幸福な家庭を築いています。

短く簡単に解説！若草物語、ラストまでのあらすじ

ざっくりとラストが分かったところで、こちらも簡単に若草物語のラストまでの話の流れを解説します。

父のいないクリスマス

アメリカ、南北戦争時代。マーチ家の父親が従軍牧師として出征してしまいます。四姉妹は、やさしく時には厳しい母親に見守られ、裕福でなくとも明るく過ごしていました。

クリスマスの日、プレゼントはありませんでした。しかし、従軍牧師として出征した父親から手紙が届きます。

『自分の心の敵と戦い、立派な女性になってほしい』

原題の『Little Women（小さなご婦人）』、つまり、立派な女性へと成長してほしいと願いを込めた手紙でした。

少女から女性へ

四姉妹は父親に指摘されたことと向き合いながら、立派な女性へと成長していきます。

楽しいことや悩み、そして、時には喧嘩してぶつかり合い、四姉妹はそれぞれが大きな試練を乗り越え、少女から女性へと成長をしていきます。

父、危篤の知らせ

ある日、マーチ家に父親の危篤の知らせが届きます。しかし、貧しい暮らしをしている一家にとって、父親のもとへ行くお金に余裕がありませんでした。

そんな中、ジョーは自慢としていた長い髪を売り、父親の看病に向かうための資金を作ります。ジョーのおかげで、母親は父親の看病に向かうことができました。ここから、四姉妹だけでの生活が始まります。

ベスが倒れる

両親が不在の中、三女ベスが『猩紅熱（しょうこうねつ）』にかかってしまいます。もともと病弱なベスは、重症となってしまいます。しかし、ベスは病気になっても、自分のことよりも、ほかの姉妹に感染してしてしまうのではないかということを心配しています。

そんなベスを見た３人は、自分たちがどれだけ利己的だったのかを思い知らされます。ベスの回復とともに、四姉妹の絆はさらに深まっていきます。

一年後のクリスマス

一年後のクリスマス、回復した父親が帰ってきました。

父親は、四姉妹が『Little Women（小さなご婦人）』として、立派に成長した姿を見ることができ、家族の絆がより強くなっていったのでした。

原作小説「若草物語」の概要は？ラストの解説も！

原作小説「若草物語」は、作者自身が家族たちと過ごした子供時代をもとに描かれた半自伝小説です。
原題の「Little Women」も作者自身が父親から言われた言葉をもとにしています。

母親と四姉妹で過ごす一年間の物語となっており、父親が南北戦争に出征後、不在の状態から始まります。決して裕福でなくても、助け合い、時にはぶつかり合いながら、小さなことから幸せを見つけていきます。

さらに四姉妹は、やさしい母親の言葉に導かれながら、家族だけでなく隣人たちと関り合いを持つことで、それぞれが欠点を克服し【少女から一人の女性】へと大きく成長していきます。

ラストには父親が帰ってくることで、改めて家族の大切さを確認し、家族の絆と姉妹としての絆をより強固なものとしていきます。

そして、母親のような女性として、幸せな結婚に憧れを持つメグは婚約をします。

若草物語には続編がある！全四部作のあらすじと結末

「若草物語」には、続編があります！

原作小説の「若草物語」は4部作で構成されています。1869年に「続 若草物語」、続いて、「第三若草物語」、「第四若草物語」が出版されました。

「続 若草物語」は、前作から３年後の物語。長女メグの結婚に始まり、次女ジョーが結婚するまでに起こった様々な出来事が描かれています。ジョーは、自立した女性になることを目指そうとしますが、三女ベスとの別れを乗り越え、自分の幸せとは何かを見つけていきます。

「第三若草物語」と「第四若草物語」は、「続 若草物語」のラストで、ジョーが設立した学園の生徒たちとの話が描かれます。

「続 若草物語」のあらすじ、結末を簡単に解説

『続 若草物語』は、四姉妹が大人になり、それぞれの人生を歩む様子を描いた物語です。

「続 若草物語」あらすじ

メグはジョン・ブルックと結婚し、双子の母親となりますが、子育てと家計のやりくりに苦労します。ジョーは作家を目指しながら家庭の支えとなり、妹たちの成長を見守ります。エイミーはヨーロッパで美術を学び、社交界での生活を楽しみます。病弱なベスは家族に見守られながら静かな日々を送りますが、健康状態は悪化していきます。

「続 若草物語」結末

ジョーは作家としての成功を目指し、努力を続けますが、ベスの死に深く打ちのめされます。その後、教師のベア教授と出会い、互いに惹かれ合い結婚します。二人は家を開き、子供たちを育てながら、寄宿学校を経営することになります。エイミーはローリーと結婚し、幸せな家庭を築きます。

物語は、四姉妹それぞれが困難を乗り越え、自分の居場所を見つけていく姿を描き、成長と家族の絆の重要性を伝えます。

「第三若草物語」のあらすじ、結末を簡単に解説

『第三若草物語』（リトル・メン/原題: Little Men）は、ジョーとベア教授が結婚し、「プラムフィールド」と呼ばれる寄宿学校での生活を描いた物語です。

「第三若草物語」あらすじ

ジョーとベア教授は、ジョーの叔母が残した家「プラムフィールド」を寄宿学校として運営し、様々な背景を持つ少年少女たちを受け入れます。子供たちは、ジョーとベア教授の温かい指導のもとで、学問だけでなく、農業や芸術なども学びながら、それぞれの個性や才能を伸ばしていきます。

個性豊かな子供たちの中でも、特に問題児だったナットとダンが中心人物として描かれます。ナットは繊細で音楽の才能を持つ少年であり、ダンは反抗的ですが心優しい一面も持っています。彼らはジョーや他の子供たちとの関わりを通じて、少しずつ成長していきます。

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「第三若草物語」結末

物語の最後では、ナットが音楽学校に進学するためにプラムフィールドを旅立ち、ダンも自分の道を探すために学校を去ります。ベア教授は、子供たち一人ひとりの成長を見守りながら、彼らが新しい一歩を踏み出すことを喜び、未来への希望を抱きます。

物語全体を通じて、ジョーとベア教授が家庭的で暖かい環境の中で子供たちを育て、彼らがそれぞれの道を見つけていく姿が描かれており、愛と成長、そして教育の大切さを伝える内容となっています。

「第四若草物語」のあらすじ、結末を簡単に解説

『第四若草物語』（ジョーの少年たち/原題: Jo’s Boys）は、『第三若草物語』の続編で、「プラムフィールド」を卒業した少年少女たちのその後の成長と冒険を描いています。

「第四若草物語」あらすじ

物語は、ジョーとベア教授が運営する「プラムフィールド」の子供たちが大人になり、それぞれの人生の道を歩み始めるところから始まります。ナットは音楽の才能を伸ばしながらも誘惑に負けてトラブルに巻き込まれます。ダンは西部開拓地での冒険やトラブルを経験し、ジョーや家族の支えを得て自分を見つめ直します。

トミーは医学の道を選び、ジョーの次男テディ（ロブ）とメグの長男デミは大学生活を通じてそれぞれの将来を模索します。ベア教授の甥エミルは船乗りとしての冒険を楽しみ、ナン（プラムフィールドの元生徒）は医師としてのキャリアを築きたいという夢を追い続けます。

「第四若草物語」結末

物語の最後では、登場人物たちが様々な困難を乗り越え、それぞれの夢や目標を達成していきます。ナットは最愛のデイジーと結婚し、音楽家として成功を収めます。ダンは犯罪に手を染めた過去を反省し、改心して新たな人生を歩みます。エミルは無事に船乗りとしての冒険を続け、ナンは独立した女性医師として社会に貢献します。

ジョーとベア教授は、彼らの成長を見守りながら、プラムフィールドの家族としての絆を再確認し、これまで育ててきた若者たちが立派な大人へと成長したことを喜びます。物語は、ジョーの夢であった「教育を通じて若者たちの成長を支えること」が実現したことを示し、ハッピーエンドで締めくくられます。

「若草物語」全四部作で伝えたいこと

『若草物語』シリーズ全体を通じて、作者ルイーザ・メイ・オルコットが伝えたい主なメッセージは、「家族の絆、個人の成長、そして自己実現の大切さ」です。

1. 家族の絆の重要性
   マーチ家の四姉妹や両親の絆は、物語を通して描かれる中心的なテーマです。互いに助け合い、支え合い、困難な状況でも愛情を持って接する家族の姿は、読者にとって心温まるものです。家族の愛情や支えが、各キャラクターの成長と幸せに大きな影響を与えることが描かれています。
2. 個々の成長と自己実現
   四姉妹はそれぞれ異なる個性と夢を持ち、物語を通じて自分自身を見つめ、成長していきます。特にジョーの独立心や自己実現への挑戦は、女性が社会的役割に縛られず、自分の生き方を選ぶことの大切さを示しています。また、他の登場人物たちも自らの進むべき道を見つけ、成長していく姿が描かれています。
3. 愛と寛容、教育の力
   物語には、愛情や寛容さが人を変え、成長させる力があることが繰り返し描かれています。ジョーとベア教授が運営するプラムフィールドでの教育も、子供たちが個性を発揮し、自由に学び成長する場として描かれており、教育が若者の将来を切り開く鍵であることを伝えています。
4. 困難や葛藤を通じた成長
   登場人物たちはそれぞれ困難や葛藤を経験し、それを乗り越えることで人間的に成長していきます。ベスの死や、ダンやナットの葛藤など、苦しい経験も含め、全てが登場人物たちの成長や成熟に繋がっていくことが描かれています。

全体を通して、オルコットは個人の自由や成長、家族の支え合いといった普遍的な価値を物語の中に込め、特に女性が自分らしい生き方を追求し、幸せを掴むことの大切さを読者に伝えています。

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まとめ

この記事では、「若草物語」の最後、どのような結末を迎えるのか？原作小説の概要やラスト、若草物語のその後、続編のあらすじについても解説しました。

「若草物語」は、150年以上前の作品ではありますが、四姉妹の生き方や考え方は、現代の女性にも刺さるところがあると思います。

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— 若草物語 ―恋する姉妹と恋せぬ私―【ドラマ公式】 (@wakakusa_ntv) September 25, 2024

女性の社会進出が進む現代社会での恋、結婚観を表現したドラマとなるようですが、原案となった小説の伝えたいメッセージがどのように描かれるのかも見どころです。