端島、通称「軍艦島」。その名の通り、海に浮かぶこの島は昭和の高度経済成長期に繁栄を極め、”金持ちの島”とも呼ばれた場所です。TBSドラマ『海に眠るダイヤモンド』でも、1955年の端島を舞台に、その当時の生活や経済状況が描かれています。
この記事では、「端島が本当に金持ちの島だったのか?」をテーマに、島で働く人々の年収や経済格差について深掘りしていきます。
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端島の繁栄の背景:炭鉱が生んだ富とインフラ整備
端島が金持ちの島と呼ばれた理由の一つに、三菱鉱業による炭鉱の存在があります。日本のエネルギー源として石炭が必要不可欠だった時代、端島は高品質な石炭を大量に生産する重要な拠点でした。そのため、企業が島全体に多額の投資を行い、他の地域では考えられないようなインフラが整えられました。
家賃は無料!?日本発の鉄筋コンクリート(RC)製の住宅
端島では、日本初の鉄筋コンクリート(RC)製集合住宅が建設されました。この住宅群は、島民にとって安全で快適な住まいを提供し、世界的にも珍しい炭鉱住宅地として知られています。
当時、台風などの自然災害が頻発していた端島では、木造住宅では十分な耐久性が確保できませんでした。そのため、炭鉱を運営していた三菱鉱業が資金を投入し、災害に強い鉄筋コンクリート製の集合住宅を島内に次々と建設しました。これにより、島民は暴風雨に耐えられる安全な住環境を手に入れたのです。
さらに、家賃は企業が大幅に補助しており、炭鉱夫たちは収入のごく一部で住宅を利用することができました。住宅には炭鉱の従業員だけでなく、その家族も暮らしており、島全体が一つのコミュニティとして機能していました。
鉄筋コンクリートの家に住めるって、当時としては超ハイテク!時代の最先端を行っている端島♪2話では台風で大変だったけど、木造だともっとヤバかったよね。
家賃補助もあるなんて最高すぎる…!現場の労働は過酷だったけど、自由に使えるお金が多かったんだね。昭和の時代の先進的な暮らしぶりがうかがえるよね!
24時間稼働!電力供給の安定性が生んだ便利な暮らし
端島のもう一つの特徴は、島内の電力供給が極めて安定していたことです。炭鉱からの収益を背景に、電力供給網が整備され、島全体が24時間稼働する電化社会を実現していました。
特に炭鉱での作業は昼夜を問わず行われており、そのための設備稼働を支える電力が必要不可欠でした。この安定した電力供給は、島内に住む人々の生活にも恩恵を与え、他の地域では考えられないような便利さを生み出しました。
具体的には、島内のほぼすべての家庭で電気が使用されており、夜間でも島が明るく照らされるほどの電力供給が確保されていました。これにより、炭鉱夫の家庭でも電気炊飯器や電気ストーブといった家電がいち早く普及しました。
夜でも明るいなんて、端島はまるで未来都市みたいだね!炭鉱だけじゃなくて、家族も恩恵を受けてたんだね。
電気がいつでも使えるって便利すぎるよ…。他の地域ではまだランプが主流だった時代に、端島は先を行ってたんだね!
日本トップクラス!三種の神器の普及率
1950年代の日本では、「三種の神器」と呼ばれたテレビ、冷蔵庫、洗濯機が家庭に徐々に普及し始めていました。しかし、一般的にはまだ高価であり、これらを所有している家庭は少数派でした。一方で、端島では炭鉱業の収益に支えられ、三種の神器がほぼすべての世帯に行き渡っていました。
特にテレビの普及率は驚異的で、当時日本全体の普及率が約10%だったのに対し、端島では60%以上(資料によればそれ以上)の家庭がテレビを所有していたと言われています。さらに、冷蔵庫や洗濯機も島民の生活を支える重要なアイテムとして広く普及していました。
このような生活水準の高さは、炭鉱業による高収入と、企業からの家電提供支援などが背景にあります。また、端島が閉鎖的な島であることも関係しており、住民が共同で楽しめる娯楽(テレビ視聴など)が重視された結果と言えるでしょう。
テレビが60%以上ってすごすぎる!島のみんなで力道山の試合や鉄腕アトムを観たりしてたのかな~?
冷蔵庫や洗濯機が100%なんて、他の地域じゃ考えられないレベルだよね。ほんとに金持ちの島だったんだなぁ…。
端島で働く人の年収は2~4倍!危険と引き換えの高収入
炭鉱の島として栄えた端島では、働く人々の年収は他の地域に比べて高水準だったとされています。
1950年代の炭鉱夫の平均年収について、具体的な数値を示す公的な資料は見当たりません。しかし、炭鉱労働者の生活水準や賃金に関する研究や記事から、当時の状況を推測することが可能です。
例えば、東洋経済オンラインの記事では、1952年の軍艦島(端島)での調査において、炭鉱労働者の日当が約600円であったと報告されています。独身者の1ヶ月の食費込みの寮費が1500円であったことから、月に3日働けば生活費を賄える計算になります。
一方、一般的なサラリーマンの年収については、年次統計のデータによれば、1965年の平均年収は約44万7600円であり、1950年代はこれより低かったと推測されます。
また、PRESIDENT Onlineによれば、端島の給与は一般新卒の4倍とあり、生活費は補助で無料、水道光熱費もほぼかからないことから、危険や自由と引き換えに裕福だったことが伺えます。
1972(昭和47)年当時、新卒の月給は5〜6万円だったのに対し、軍艦島では月約20万円受け取っており、極めて恵まれた生活をしていたと想像ができる。
そして、炭鉱での仕事は危険を伴うため、特別手当やボーナスも充実しており、家族手当や福利厚生も他の職業と比べて優れていました。
えっ!炭鉱夫ってそんなに稼げたの?危険な仕事って聞くけど、手当もしっかりしてたんだね。でもやっぱ、現場の人よりは管理者がお金を持ってるんだよね…。
賢将(鉱業の幹部職員の息子)みたいな管理側が高給取りなのは、いつの世も変わらないみたいだけど、現場の鉱員にもちゃんと還元されてたんだね◎
経済格差はあった?金持ちの島に隠された差別
一見、全員が裕福に見える端島ですが、実際には経済格差も存在していました。島内には、炭鉱夫や管理職などの職業によって住むエリアや待遇に違いがあったと言われています。
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そういえば、朝子も1000円のワンピース買うのに躊躇してたよね…。みんなが同じように豊かだったわけじゃないんだね。
管理職の家族は冷蔵庫や洗濯機も持ってたのに、炭鉱夫の家庭にはなかったこともあるとか…。でも、みんなが協力して島を支えていたのは間違いないよね。
1960年の最盛期は島の人口が5000人!豊かさを象徴する「電化製品」
端島の住民の暮らしを語る上で外せないのが、家電製品の普及率の高さです。当時の日本では高嶺の花だったテレビや洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」として家庭に揃えられていました。島ではこれらがほぼ100%の世帯で所有されていたと言われています。
しかし、経済格差もあったため、高価な家電製品を持てるのは主に管理職や裕福な家庭に限られていました。それでも島全体の生活水準は非常に高く、島外から訪れる人々はその豊かさに驚かされたそうです。
昭和の時代に、ほぼ全世帯が冷蔵庫やテレビを持ってるって、未来都市みたいだね。3話で人で賑わう端島が描かれてたけど、この時期が最盛期だったんだね◎
炭鉱以外の産業がなかったから、炭鉱が閉山した後は一気に経済が衰退しちゃったんだね。なんだか切ないけど、歴史ロマンを感じるね。
≫【海に眠るダイヤモンド】3話のあらすじ、ネタバレ解説はこちら
まとめ:端島は本当に金持ちの島だった!
結論として、端島は炭鉱業が栄えた時代に限って言えば、確かに「金持ちの島」でした。しかし、その繁栄は炭鉱という一つの産業に強く依存しており、経済の多様性に欠けていたため、閉山とともにその栄光は失われました。
それでも、端島での生活は当時の日本では非常に先進的で、多くの住民が豊かさを享受していたのは間違いありません。その影響は現代のライフスタイルにも息づいており、端島の歴史を知ることで、昭和の日本がどれほどの急成長を遂げたのかを感じ取ることができます。
端島の歴史や暮らしを振り返ると、昭和の高度経済成長期がどれほどの勢いで日本を変えたのかがよく分かります。『海に眠るダイヤモンド』のようなドラマを通じて、その時代を追体験することができるのは、とても貴重な機会と言えます。
端島の過去と現在、そしてドラマの展開に注目しながら、これからも『海に眠るダイヤモンド』で島の歴史についても学んでいきましょう!
ボクたちも端島のことをもっと知りたくなっちゃった!次は実際に行ってみたいな~。ドラマはどこで撮ってるんだろう…?
≫【海に眠るダイヤモンド】ドラマのロケ地はどこ?1話から最終回までの撮影場所一覧
ドラマのロケ地はこの記事で紹介しているよ。きっと現地でしか分からないこともあるよね。昭和の遺産がどんな形で今に残っているのか、じっくり見てみたい!
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