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【バニラな毎日】ネタバレ感想&あらすじ!同時ドラマ化の続編シリーズ「バニラなバカンス」についても

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この記事では、2025年1月期夜ドラ「バニラな毎日」と続編シリーズ「バニラなバカンス」の原作小説についてのネタバレを含むあらすじ、感想を紹介します。

ドラマ「バニラな毎日」は、NHKが手掛ける夜のドラマで、毎週月曜から木曜の夜10時45分から15分、8週にわたり全32回の放送が予定されます。

ドラマ化される「バニラな毎日」の原作小説は、賀十つばさの「バニラな毎日」と続編シリーズ「バニラなバカンス」です。お菓子作りを通して人生を見直すきっかけを提供する、風変りなパティシエが主人公の物語です。

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小説【バニラな毎日】ってどんな話?簡単に分かりやすく解説

この小説は6章から成っており、それぞれの章で異なったお菓子を作る様子が描かれます。もちろん、お菓子を作るだけでなく、菓子作りを通して疲れた心を癒やすヒューマンストーリーとなってます。

簡単に解説すると、潰れた洋菓子店の店主(主人公)・白井葵(演:蓮佛美沙子)が、パワフルなかつての常連客で料理研究家の佐渡谷真奈美(演:永作博美)に頼まれ、閉めた店の厨房で佐渡谷が連れて来たクライアントに対し、一対一でお菓子作りを教えます。その中で、白井自身も自分と向き合う時間を過ごします。

最終的に、白井は自ら限界だと思った店を再びオープンし、佐渡谷はかつての恋人に会いにフランスへ旅立ちます。

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続編シリーズ【バニラなバカンス】ってどんな話?簡単に分かりやすく解説

続く続編小説「バニラなバカンス」では、再び開店した店前に大きな穴が開くというトラブルが発生します。向かいの工事現場が原因で店へと続く道が沈没し、店が開店休業状態に陥ります。その大変な時に、佐渡谷がフランスから恋人と別れ舞い戻ってきてしまいます。

しばらくして佐渡谷を追いかけフランスから恋人のヴィクトーも来日し、結局二人は元の鞘に収まります。平和が戻ったかと思いきや、今度は再び白井に不運が訪れます。なんと、ずさんな工事現場のおかげで、金属板が飛んできたことにより全治三か月の怪我を負ってしまいます。

治るものと思っていた怪我が酷く、元の手の動きを取り戻せないということが判明し落ち込む白井。しかし、気分転換に行ったライブで視野が広がりバニラアイスをリハビリで作ってみることにします。

慣れない左手での作業を通し、再び自分を見つめ直した白井は最後、フランスへお菓子作りを学びに行こうと決心します。

まるはむ
まるはむ

元サヤに収まった佐渡谷と恋人・ヴィクトーは結婚!ザックリとしたあらすじはここまでです。以降はネタバレが多いので、注意してください。

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【ネタバレあり】小説「バニラな毎日」あらすじ&ネタバレ感想

ここからは、1章から各章の内容を詳しく紹介していきます。ネタバレを含むので、予備知識なしにドラマや原作を楽しみたい方はご注意ください。

きゅんはむ
きゅんはむ

この本を読むと、お菓子の知識がアップ!本の最後には、お菓子のレシピもあるから、作ってみたくなるよ~。

聞きなれないお菓子名が並ぶので、イメージしやすくするため該当箇所にお菓子の紹介を入れています。

【Recipe1】最後のガレット・ブルトンヌ

東京の西エリアでひっそりと、閉店した菓子店「パティスリー・ブランシュ」。5年間営業した店を自ら畳んだのは、白井葵。開店4年目を過ぎたころから店自慢の焼き菓子ガレット・ブルトンヌも売れ行きが芳しくなくなり、経営に本格的に行き詰る前に店を畳みます。

次の借り手が見つかるまで他でバイトをすることにした白井は、バイト先「パスカル」でかつての常連客・佐渡谷真奈美に声をかけられます。閉店したこととバイト理由を教えると、店の厨房を次の借り手が見つかるまで店の厨房を貸してほしいと言われます。

怪しんだ白井でしたが、常連客が料理研究家だと知り、佐渡谷の本を図書館に借りに行きます。そこで出会った彼女の本に書かれているレシピに興味を惹かれた白井は、店の厨房を貸し出すことに同意します。

まるはむ
まるはむ

ドラマでは大阪が舞台になっているけど、原作小説は「東京の西エリア、繁華街から少し離れた場所」となっています。

【Recipe2】失敗は成功のタルトタタン

閉めた店の厨房を佐渡谷に貸し出すことにした白井でしたが、彼女に何に使うかをきくと、“たった一人のためのお菓子教室”に使うと言います。何でもお菓子作り初心者にもかかわらず、作るお菓子は「フルーツタルト」。さすがに無謀だと思った白井は、より簡単に作れるタルトタタンにしてはどうかと提案します。

当日材料を持って現れたのは、38歳の白井とあまり年が違わないが身なりの整った女性・順子でした。初めてのお菓子作りで作ったタルトタタンは、順子にとって思った出来上がりではなく「ピザみたい」とコメント。白井と佐渡谷が美味しいと褒めるも納得がいかないようでした。

しかし、その翌週に現れた順子は吹っ切れた様子です。理由を聞くと「自分で作ったタルトタタンを食べた後、いつも通っていた会社近くのカフェにお気に入りのフルーツタルトを食べに行ったが、不思議と前みたいに美味しく感じなかった」と言います。

佐渡谷は“頭でっかちの人は美味しいとわかるまでに時間がかかって面倒ね”と白井に言い、順子がすごく優秀にもかかわらず会社に行けなくなり、佐渡谷の姪のところにカウンセリングを受けに来ているクライアントだと明かします。

失敗から偶然にできたタルトタタンやりんごのタルトを作った順子は、自分にも失敗しても吹っ切れる強さが欲しいと漏らします。お菓子つくりを通して、順子は会社に辞表を出すことに決めるも、会社側から留意を薦められ自分のペースで仕事に向き合うことにします。

きゅんはむ
きゅんはむ

一方、白井さんはプロだとバレて、バイト先を首になります。しかし、次は別のお菓子屋さんでバイトをしようと履歴書を書きます。

【Recipe3】混沌がおいしいイートン・メス

次に佐渡谷が連れて来たのは、14歳の女子中学生・結杏(ゆあん)マカロンを作りたいと言う彼女は菓子作り経験があったため、比較的スムーズに菓子作りが進みます。最後、作った中で一番良く出来たものを白井にもらってくださいと渡してきた結杏を見て、白井は結杏がここに居場所を求めただけだと気づきます。

結杏がカウンセリングを受けている理由は、以前はクラスで一番勉強ができたのに、急に受験勉強をやめ、テストを白紙で出したためです。訳を知った白井は、結杏が「勉強ができる私」から「他の何かができる私」を代わりに見つけようとしているのだと推測します。

そこで、次は結杏の母親と一緒に「イートン・メス(ストロベリー、メレンゲ、クリームを混ぜて作るイギリスのお菓子を作ることを提案します。場所は、佐渡谷の姪・明日香の「あすか心のクリニック」。事前に結杏が焼いてきたメレンゲクッキーを母親に渡し手で砕くように指示する白井。親子はせっかく作ったクッキーを壊すのに戸惑いつつも、グチャグチャに砕けたクッキーが美しくも美味しいイートン・メスになったことに感動します。

不思議と無理をしない方が美味しいものが向こうから飛び込んでくる。このことから、探すのは悪いことではないが、少し退いた目線でぼんやりしていると、色々なものが見えてくることもある。今はあまり決めないのでもいいのではないか、明日香が語りかけます。

まるはむ
まるはむ

この章で、佐渡谷さんの昔の恋の話が少し出てきます。そして、明日香さんが白井さんに「お店をまたオープンしないの?」とききます。

【Recipe4】完璧オペラと上出来ホットケーキ

続編でも登場する主要キャラクター、歌手の静(芸名:SHIZUKA)の登場です。恋をしそれを歌にしてきた彼は失恋ばかりしており、それをもう辞めようとあすか心のクリニックに通っています。今回は、先に登場した結杏と一緒にザッハトルテを作ることになります。

きゅんはむ
きゅんはむ

ザッハトルテは、オペラより複雑ではないけど負けない満足感があるんだって。ちないに、ブラウニーは庶民の味なんだとか♪

菓子作りを終えた静に「商売に必要な、人に対しての愛がない」と言われる白井。自分も同類であすか心のクリニックで知らなかった自分に気づいたと言います。また、「あなたは幼少期に何か要因があり、恋を避けてきたのではないか。一度、恋をした方がいい」と指摘されます。

するとそれを聞いていた佐渡谷から「静くんがフラれる理由はそれだ」と逆に返されます。佐渡谷は自分のかつての恋人と静を重ねたようですが、静から言われた言葉は白井の胸に残ります。幼少期の自分の過去を振り返り、折り合いが悪かった母親との関係を振り返ります。

後日、静からお詫びのメッセージと共にマダガスカル産のバニラビーンズが届きます。メッセージには、下記のことが書かれていました。

  • 女の子にプレゼントをするときは、そこそこ高価なものを贈る
  • 白井に喜ばれるものを考えた結果、最高級のバニラビーンズを贈った
  • これがラブレターであり、自分は白井に恋している
まるはむ
まるはむ

さすが恋愛マスター(?)静くん!芸能人の静くんは30歳くらいに見えるバンドマン。白井さん、どうする!?

【Recipe5】謙虚で自由なモンブラン

この章のクライアントは、四十代半ばの優美さん。長いこと引きこもりだった彼女でしたが、ボランティア活動で外に出れるまでに回復します。そんな中、ボランティアで家を空けている間に母親を亡くしたことから精神的に不安定になり、あすか心のクリニックに通っています。

心配し過ぎる母親とは折り合いが悪かった優美でしたが、母の好きだったモンブランを作ることに。そんな優美に白井が用意したモンブランのレシピは、見た目はモンブランでしたが中身は優美の好きなチーズケーキの味でした。

モンブランを食べ、自分と母もお互いに優しくなれていたら良かったと涙する優美。それに対し、違う自分になる必要はなく、戻る必要もない。これからは母の死を乗り越えた新しい自分で、好きな人生を生きればいいと諭す佐渡谷の言葉が優美の心に響きます。

一方白井は、作ったモンブランをバイト先の同僚女性にあげたところ、その女性の夫が本社の開発部の人物で“白井をリクルートしたいと言っている”と言われます。ラストでは、閉めた店の次の借り手が見つかったと大家から連絡があり、店を閉めた時以上の寂しさを感じます。

きゅんはむ
きゅんはむ

借主を探している間、暫定的に閉めた店でお菓子教室を開いていた白井さん。本当に自分の店が亡くなるんだ…と実感したことで、泣きそうになったんだね。

【Recipe6】バニラな毎日

次の借り手が営むのは、ドーナツとマフィンの店のようです。バイト先のチェーン店の開発部に行くのか、自分は本当は何がしたいのかを改めて考える白井。器具を片付けてしまったものの「いつものようにお菓子を作って問題を解決しよう」と言う佐渡谷の提案で、まだあるもので作れるパウンドケーキを作ることにします。

作りながら佐渡谷のフランスにいた頃の恋愛話を聞いた白井は、佐渡谷に付き合っていたというフランス人ヴィクトーの店の名を聞き出します。そして、その店名をネット検索した白井は、店のサイトに掲載されていたお菓子の名前「Ma nami」を見声を上げて驚きます。

佐渡谷の下の名前は「真奈美(まなみ)」。ヴィクトーからは「マ(私の)、ナミ」と呼ばれていたと言います。佐渡谷の別れた恋人は、フランスで「Ma(私の)nami」と言う名のお菓子を今でも作り続けていたのです。それを知った佐渡谷の胸にはかつての恋心が再び蘇ります。

パウンドケーキ作りを通して、佐渡谷はフランスへ行く決意をし、白井はそんな佐渡谷の行動力を見て自身も閉めた店を再びオープンすることを決めます。

まるはむ
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最後、白井さんは少しわだかまりのあるお母さんにも事の経緯を話します。このシーンも穏やかに描かれていて、ほっこりと終話する素敵な小説でした◎

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【ネタバレあり】続編「バニラなバカンス」あらすじ&ネタバレ感想

続く続編シリーズ「バニラなバカンス」も全6章から成っています。佐渡谷のお節介から再び店をオープンした白井でしたが、順調にはいかずハプニングから物語がスタートします。

【Recipe1】甘くて辛い人生みたいなスパイシーココア

白井の店の向かい側で、新しいビルを建設するための工事をしていたのですが、それが影響し店へと続く道路に突如、地盤沈下の穴が開いてしまいます。店へと続く道が断たれたため、店が開けられず困っていたところ、フランスへ旅立ったはずの佐渡谷から連絡が入ります。曰く、ヴィクトーと別れ成田空港にいるため迎えに来て欲しいとのこと。驚いた白井は、佐渡谷を迎えに車を出します。

食べることが生きがいの佐渡谷が恋人と別れ、食事も喉を通らない様子を見て、サービスエリアでアメリカ式のホットチョコレートを買い佐渡谷に飲むよう促します。飲みながら佐渡谷の話を聞くと、ヴィクトーの元妻が癌になったことで勝手に身を引き日本へ戻ってきたと言います。

ホットチョコレートを飲んだ佐渡谷は、白井の店の厨房でメキシカンなスパイシーココアを作り始めます。甘いホットチョコレートよりも、少し辛い大人味のスパイシーココア。そこにバニラの香りが辛さを和らげてくれる味の調和と楽しみ、「人生みたい」とうなずくのでした。

きゅんはむ
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佐渡谷さんは勝手に納得しているけど、恋人が何も言わず日本に帰ったらビックリするよね!?ヴィクトー、どうしているのか気になるよ~!

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【Recipe2】忘れるためのニューヨーク&バスク・チーズケーキ

この章で登場する新キャラクター三沢も、あすか心のクリニックのクライアントです。彼は、作業を最後まで終わらせず放置してしまったり、気持ちがあちこちに飛んでしまい事務仕事が合わず会社に通えなくなる問題を抱えています。三沢は、お菓子作りを通して集中力を持続させる術を学びに来ています。

三沢は店が再びオープンする経緯と佐渡谷との関わりを知り、そこへ静も加わることで、佐渡谷に失恋を忘れさせるためのチーズケーキ作りを提案します。何と、フランスにはチーズケーキがないのだとか!何でもフランスは、チーズそのものがデザートになる国であり、中途半端に菓子にチーズは混ぜないのだそうです。

ところが、白井がニューヨークスタイルのチーズケーキを作ったものの、それを食べた佐渡谷の心は晴れません。作る際の微妙な加減がヨーロピアンスタイルになっており、それが味に出ていると言います。再び別れた恋人ヴィクトーを思い出し涙する佐渡谷に対し、今度はバスクチーズケーキを作ることにします。

バスクチーズケーキはバル(食堂やバーが一緒になった飲食店)で生まれたケーキで、作り方も見た目もワイルドなケーキです。それを食べた佐渡谷はしみじみと「おいしい」と言い、白井は「後ろに戻ったことも逆によかったのかもしれない」と返します。

まるはむ
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一旦、元カレと再び付き合ってまた別れたのも、フランス(ヴィクトー)を思い出す味を食べたのも、かえって良かったねということかな♪

【Recipe3】理屈なんかどうでもよくなるフラン

店前の陥没した部分に鉄板が敷かれるという応急処置で店が開いた中盤でしたが、またもや嵐がフランスから飛び込んできます。佐渡谷を追いかけ日本にやってきたヴィクトーが店を訪れ、佐渡谷と復縁するにはどうすれば良いかを白井に尋ねます。

恋愛マスター静が加わり、ヴィクトーは佐渡谷を再び振り向かせるためのフランを作ることにします。新作ができたと佐渡谷の来店を促した白井。佐渡谷はフランを食べた瞬間、作ったのがヴィクトーだと気づきます。

ヴィクトーが自分を迎えに来てくれたことに感動した佐渡谷は、ヴィクトーと復縁します。ヴィクトーは、自分が日本滞在中に店を任せられる人を準備をしていたため、佐渡谷を追いかけ来日するまでに時間がかかったとのことでした。

きゅんはむ
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佐渡谷さんはすぐに追いかけてきてくれなかったからヴィクトーのことを諦めていただけに、より嬉しかったよね♪でも、一口食べただけで分かるのはさすがだね◎

【Recipe4】自信をのっけるショートケーキ

4章のクライアントは最年少の小学生です。小学三年生の広貴は、一見すると普通ですが、亡くなった祖母によく話しかけるということでカウンセリングに通っています。最初はクッキーを作りますが、誰もいない空間に「おばあちゃん」と話しかける不思議なシーンが描かれました。

「見えない友だちがいる子なんて昔はいくらでもいた。でも、今の世の中では気味悪いと嫌がられる」という三沢と白井のやり取りを聞いて、時代や人によって物事の受け止め方が異なる点が印象的でした。そこへ、復縁した佐渡谷とヴィクトーが業者用の苺を抱えて厨房に入ってきます。

何を作るか話し合った結果、ショートケーキを作ってはどうかとなりますが、出来上がったショートケーキは「普通」で面白みのないものでした。白井はここで“自分はショートケーキが苦手なんだ”と自覚します。そんな白井に、自信満々に佐渡谷はショートケーキ、ヴィクトーはフレジエを作ります。

どちらを店に出すかで揉める二人に対応しかねた白井は、三沢、静、広貴の三人に試食し決めてもらうことにします。そして、「どちらも美味しいが、どちらも強烈で白井の作る爽やかなお菓子ではなく店のイメージではない」と結論付けられます。

広貴が最後「ぼくが好きなのは、白井さんが作ってくれる、クッキーの下地」だという言葉を聞いた白井は、苺をジャムにすることに決定します。

まるはむ
まるはむ

美味しいだけが全てじゃない。その時、求めているものでないと♪来年は、もしかしたら白井さんのショートケーキが店頭に並ぶかも?

【Recipe5】心に寄り添うアイスクリーム

この章では、今までの最大のピンチが白井を襲います。前章の最後に、店前の工事で陥没した穴を応急処置でふさいだ鉄板の上を車が通った瞬間、その一枚が白井の方へ飛んできて負傷したシーンが描かれていました。5章では、白井が病院で意識を取り戻すところから始まります。

金属板が飛んできてヘタをしたら切断されるところだったと医師からきかされ、全治三ヶ月と診断された白井でしたが、リハビリをするも以前のように利き手が動かないことに気づきます。再検査した結果、前と同じ状態には戻らないと分かり落ち込む白井は、静に弱音を吐きます。

今度は自身がクライアントとなって、あすか心のクリニックを訪ねた白井は、明日香からプレゼントとSHIZUKAのライブチケットを渡されます。ライブで聴いた曲で自分を見つめ直した白井は、帰りにふと入った店でソフトクリームを食べます。

翌日、厨房で白井が作ったのはバニラアイス。作る過程で「ここをアイスクリーム屋にしてもいいな」と思いだすくらいに吹っ切れた白井は、佐渡谷に店に来てと声をかけます。佐渡谷とヴィクトーが訪れ、籍を入れたことを知った白井は驚きますが、二人が店をサポートしたいと申し出てくれたことに驚きます。

きゅんはむ
きゅんはむ

最後、ヴィクトーが「あなたの人生にとって、今はバカンス。バニラと同じく、必要なんだよ」と言ったセリフにジーンとしたよ~。

【Recipe6】積み上げたものをぶっ壊す御祝いケーキ

白井は静とカフェでスイーツを食べています。白井は手で食べられるからと、エクレアを注文しましたが、美味しそうなエクレアを見て静が食べたいと言いだしたため、白井のエクレアと静のケーキと交換します。話しながらお菓子を楽しんでいると、普通にフォークを使ってケーキを食べていることに気づいた白井は、思わず泣いてしまいます。

店に変えると厨房では佐渡谷とヴィクトーが、店舗営業をサポートしてくれています。右手が良くなったのは、明日香の紹介してくれた名医のおかげ以上に、身近な人々に助けられていることを実感します。そこで、白井はまだできていなかった二人の結婚祝パーティーをすることを提案します。

パーティーで作るウエディングケーキは、プチシュークリームを積み上げて作るお菓子、クロカンブッシュです。エクレアを食べている時に思いついたという白井は、佐渡谷とヴィクトーと一緒にクロカンブッシュを完成させます。ところが、完成を喜んだのもつかの間、大家から店の入っているビルと土地を売るから、契約期間内に出て行ってほしいと立ち退きを求められます。

二人の結婚パーティーで「人生はなにが起きるかわからないから面白い」と言う佐渡谷の言葉に対し、白井は「自分も二人のように生きたい。フランスに行くことにした」と返します。

“今の自分なら、昔とは違うことが学べるはず”と未来を見据える白井の言葉に、佐渡谷とヴィクトー、静が「自分もフランスに行く」と返し人生を楽しまないと損とばかり、皆で盛り上がり終話します。

まるはむ
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積み上げてきたものだって壊さなきゃ。大切にしてるだけじゃダメ。楽しまなきゃ。という佐渡谷さん♪

きゅんはむ
きゅんはむ

それに対し、「バニラなバカンスですね」と返す白井さん!綺麗にタイトルを回収して終わりました。

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まとめ:小説「バニラな毎日」と続編「バニラなバカンス」を読んだ感想

「バニラな毎日」と続編の「バニラなバカンス」を通して感じたのは、お菓子作りが単なる趣味や仕事以上に、人々の心を癒し、成長のきっかけを与える大切な役割を果たしているということです。白井さんは、パティシエとしての確かな技術を持ちながらも、お店が閉まるなどの困難に直面し、迷いや挫折を感じるキャラクターです。

彼女が再び立ち上がり、前向きに進む姿には強い共感を覚え、応援したくなります。お菓子教室に集まるクライアントが抱える悩みや心の傷も、お菓子作りを通じて少しずつ解きほぐされていく様子が温かく、じんわりと心に響きました。

まるはむ
まるはむ

登場するお菓子たちも、ただ美味しいだけじゃなく、人生の教訓や思い出が詰まっているから深いよね~◎お菓子の種類と歴史が学べる小説って貴重かも♪

特に印象的だったのは、白井さんと佐渡谷さんの関係です。佐渡谷さんは、明るくて大胆で、時に図々しくもありますが、そのキャラクターが周囲の人々に自然と変化をもたらしていきます。彼女がいてこそ、白井さんも本来の自分と向き合い、店を再オープンする決断ができたのかもしれません。

佐渡谷さんの「完璧でなくていい、そのままでいい」というメッセージが、白井さんだけでなく、読者にも優しく響きます。

続編の「バニラなバカンス」では、さらに幻想的な要素が加わり、物語がより深みを増しています。白井さんが現実を受け止めつつも、未来へと新たな一歩を踏み出そうとするラストシーンは、読者に「日常の中にも冒険や発見がある」と気づかせてくれるポイントでした。

きゅんはむ
きゅんはむ

白井さんが自分の新しい人生に向かって、再スタートを切る決断に至るまでの成長の過程と、巻末にはお菓子のレシピが載っているところも見どころだよ~♪

まるはむ
まるはむ

白井さんが新しい夢に向かって進む姿には、本当に勇気づけられたよね!人は何歳からでも前を向けば、道が切り開けるんだという希望が見える終わりでした。

全体を通して、「バニラな毎日」シリーズは「日常の中のささやかな幸せを大切にすることの意義」を伝えています。甘くほろ苦いバニラの香りと共に、登場人物たちが過去や困難を乗り越えていく姿に、今の自分を受け入れることの大切さを改めて感じました。

ドラマ化される「バニラな毎日」の原作小説は、賀十つばさの「バニラな毎日」と続編シリーズ「バニラなバカンス」です。お菓子作りを通して人生を見直すきっかけを提供する、風変りなパティシエが主人公の物語です。

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